2018-01-01から1年間の記事一覧

〔資料〕ストリップ関連判例集─公然わいせつ罪関係─

はじめに 今回は、資料編として、ストリップに関連する判例の中で、公然わいせつ罪の成立が争われたものを紹介する。紹介においては、「事案の概要」と「裁判所の判断」に加えて、読者の便宜のために簡単な「コメント」を付した。また、事件の争点が明確にな…

ストリップ・ショーと公然わいせつ罪の成否

1.はじめに 前回までは、ストリップ・ショーと公然わいせつ罪を中心的なテーマとして、最新の議論状況をお伝えしてきました。もっとも、情報内容の正確性・網羅性を優先したため、皆さんにとっては、読むのが困難な分量であったのではないかと思います。そ…

「わいせつ」概念の意義と判断方法

1.問題の所在 日本の刑法は、公然と「わいせつ」な行為をすることを処罰の対象としている(刑法174条)。すでに確認したように、従来の判例・通説は、ストリップ・ショーに「わいせつ」性を認めてきた。しかし、ここでいう「わいせつ」の具体的な意味は明…

芸名に使用されている漢字

ふと、現役の踊り子さんの芸名の中で一番多く使われている漢字は何かが気になり、色々調べてみると、いくつかの興味深い発見が得られた。そこで、今回は「ストリップと法」とは何の関係もないが、番外編として、表題に関する調査結果をお伝えしたい。なお、…

ストリップ・ショーの処罰根拠を問う

1.はじめに 前回まで確認したように、判例・通説はストリップ・ショーに公然わいせつ罪の成立を認めている。しかし、なぜ誰にも迷惑をかけていないストリップ・ショーが犯罪として取り締まられなければならないのだろうか。言うまでもなく、観客は自らの意…

ストリップにおける「共犯」の責任

1.はじめに 前回の記事では、踊り子の演技に公然わいせつ罪の成立を認める判例・通説のロジックについて検討を加えた。もっとも、摘発の対象には、演技を行う踊り子だけでなく、その「共犯」とされる劇場の興行主やスタッフも含まれる。さらに、驚くべきこ…

「公然わいせつ罪」成立のロジックを追う

1.はじめに 今回は、ストリップと最も根深い関係にある「公然わいせつ罪」について、その成立がいかなるロジックにより認められてきたのかを検討する。言うまでもなく、ストリップ劇場の摘発において最も頻繁に持ち出されるのが、この「公然わいせつ罪」の…

はじめに─「ストリップと法」の関係性を問う─

このブログでは、法学を専門的に研究している管理人が、ストリップ劇場に関係する法的な問題の整理と情報の提供をしたいと考えています。 私はもともと、「性風俗と刑事規制」の問題に関心を持ち、これに関する研究に携わってきましたが、ストリップ劇場の実…