芸名に使用されている漢字

 ふと、現役の踊り子さんの芸名の中で一番多く使われている漢字は何かが気になり、色々調べてみると、いくつかの興味深い発見が得られた。そこで、今回は「ストリップと法」とは何の関係もないが、番外編として、表題に関する調査結果をお伝えしたい。なお、下記の情報は2018年7月28日現在のものである。思わぬ調査漏れや誤りがあるかもしれないが、もしお気づきになられた方は、ご一報をいただけると幸いである。

 まず、芸名の中で使用されている漢字のランキングは以下の通りとなった(五十音順、敬称略)。

 1. 17名(川上奈々美、小向美奈子、三枝美憂、紗凪美羽、白石美咲、高崎美佳、多岐川美帆、橋口美奈、羽音芽美、広瀬奈々美、星愛美、真由美、美樹うらら、美咲遥、美月春、悠木美雪、若林美保)

 2. 12名(愛野いづみ、上野綾、小野今日子、左野しおん、羽多野しずく、浜野蘭、春野いちじく、姫野紗雪、平野愛、平野ももか、牧野れいな、宮野ゆかな)

 3.(白石美咲、時咲さくら、花咲はな、花咲ぼたん、藤咲茉莉花、美咲遥、水咲カレン、山咲みみ、雪咲ほのか)、(相田樹音、倖田李梨、翔田真央、園田しほり、豊田愛菜、成田麗、西田カリナ、前田のの、安田志穂) 各9名

 5.(寿恋花、立花瑠莉、花咲はな、花咲ぼたん、花音芽、藤咲茉莉花、麻樹紫陽花、六花ましろ)、(大月小夜、小澤マリア、小野今日子、小春、小宮山せりな、小向美奈子、小室りりか)、(愛子、愛野いづみ、清水愛、須王愛、豊田愛菜、平野愛、星愛美、ゆきみ愛)、(相田樹音、井吹天音、鈴香音色、花音芽、羽音芽美、星崎琴音、魅音、結城綾音)、(川上奈々美、清本玲奈、小向美奈子、白金れい奈、橋口美奈、広瀬奈々美、松本幸奈、御幸奈々) 各8名

 やはり、美しいステージを日々披露されている踊り子さん達だけあり、1位の漢字は「美」となった。意外だったのは、「花」やそれに関連する漢字の使用率の高さである。ランク圏内の中では「咲」がそうであるし、「芽」も2名の踊り子さんの芸名に含まれている(花音芽、羽音芽美)。

 また、小向美奈子さんは、「小」、「美」、「奈」と使用率の高い漢字を3つも芸名に含んでいることがわかった。これは「さすが」と言うほかないだろう(何がかはよく分からないが)。もっとも、「子」がランク圏外となったのは意外である。一般的な女性の名前での使用率は上位であると推測されるが、踊り子の中で使用しているのは5名(愛子、小野今日子、小向美奈子、雛形ひろ子、星乃結子)にとどまった。

 予想外に使用率が低かった漢字としては、「恋(1名)」(寿恋花)、「華(1名)」(山口桃華)、「心」(なし)も挙げることができる。特に「華」は、「華」々しいストリップの世界だけに、もっと使用されているかと思っていたが、現在では(華山梨愛さんの引退により)山口桃華さん1人のみという結果となった。

 他に調査をしていて気づいたのは、「空」に関係する漢字の使用率が高いということである。個々の漢字はランク圏外であるが、「空(1名)」(空まこと)、「月(6名)」(秋月穂乃果、天羽夏月、大月小夜、葉月凛、美月春、望月きらら)、「羽(4名)」(天羽夏月、紗凪美羽、羽多野しずく、羽音芽美)、「星(3名)」(星崎琴音、星乃結子、星愛美)、「天(3名)」(天羽夏月、井吹天音、天河はるひ)、「翼(1名)」(翼裕香)など、合わせるとそこそこの数になる。

 最後に、ジャンルごとの漢字に使用率ランキングを紹介しておこう。

 まず、色に関連する漢字の中では、「白(5名)」(白石美咲、白鳥すず、白金れい奈、真白希実、夜白小梅)がトップとなり、これに「黒(4名)」(黒井ひとみ、黒崎優、黒瀬あんじゅ、目黒あいら)、「桃(3名)」(桃歌、桃瀬れな、山口桃華)、「紫(2名)」(麻樹紫陽花、紫りょう)、「青(2名)」(青山はるか、青山ゆい)、「赤(1名)」(赤西涼)が続く形となった。この順位が、踊り子さんの着用する下着の色のランキングとどう関連するかは、私には分からない。

 季節に関連する漢字は、「春(3名)」(小春、春野いちじく、美月春)、「夏(3名)」(天羽夏月、伊沢千夏、夏木りりか)、「秋(2名)」(秋月穂乃果、秋元みり)の順である。「冬」を芸名に含んだ踊り子さんは意外にもいなかった。その代わり(?)、「雪」を使っている踊り子さんの数は7名にも上る(神崎雪乃、姫野紗雪、悠木美雪、雪咲ほのか、雪乃舞、雪見ほのか、雪宮みりあ)。もっとも、一年を通して劇場に通い詰めている常連客の読者諸氏にとって、四季はあまり関係ないかもしれないが。

 さらに読者の関心は低くなりそうだが、方角に関連する漢字については、上から順に「西(3名)」(赤西涼西園寺瞳、西田カリナ)、「北(2名)」(北川れん、北原杏里)、「東(1名)」(東乃京)、「南(1名)」(南まゆ)となった。

  以上が今回の調査結果である。「だから何だ」と聞かれても、何も答えようがない。芸名にはそれぞれの踊り子さんや命名した人の様々な想いが込められているだろうから、使用率の高低のみから何かを読み取ることは、ほとんど不可能に近い。その意味で、この記事を真剣に読んでしまった人は、時間を浪費してしまった可能性が高いといえる。

 もっとも、以上の調査からいくつかの興味深い発見が得られたことも事実である。また、「名は体を表す」という言葉もある。気になる踊り子さんに、芸名について聞いてみると、意外な発見が得られるかもしれない。